仕事を知る

水処理を描く力、築く力、設計・施工

水質をリアルタイムで管理する環境測定

牧田 美佳

2022年新卒入社
フジヨシ水処理技術研究所 計量課

牧田 美佳

が好きな科卒

環境測定部門である水処理技術研究所に在籍する牧田 美佳さんは、大学で環境問題の解決に欠かせない環境生物学をフィールドワークや実験を通じて学びました。
「もともと環境系のことを勉強していましたが、実験をするのが好きで、環境に関する仕事や分析に関する仕事をしたいと考えていました。分析だけを行う会社が多かったのですが、藤吉工業は設計から分析までトータルに扱っている点に魅力を感じて志望しました」
大学では水質汚濁の指標にも親しんでおり、分析機器や器具の扱い方など学生時代に学んだことがそのまま役立ったと感じているといいます。

水道水の

水処理技術研究所では、主に藤吉工業でメンテナンスを行う排水処理施設の放流水について水質分析を行っています。高度な測定・分析技術を駆使し、排出される水の質をリアルタイムで管理し、不具合の早期発見や改善に繋げています。
ほかにも、水道水や河川水などの分析、大気や土壌の分析、臭気測定、騒音・振動測定など、愛知県をはじめ全国各地の各種計量証明業務を行なっています。
「水質分析は、水道水のほかに下水、排水などがあり、浄化槽や排水処理場の水を抽出して、水の中にどういう成分が入っているか、有害な項目が入っていないか、それぞれ分析項目を調べて基準値を満たしているか分析するのが仕事です」
なかでも牧田さんは、水道水の担当とのことです。
「上水一般項目といって、pH値、色、濁り具合、硬度、有機物、細菌など、飲用水としての水質基準に関する項目について分析しています」
牧田さんの所属する計量課のほか、測定課は、屋外で騒音や振動を測ったり、土や空気といった分析試料を採取することが仕事です。偏った採取になると分析値も偏るため、サンプリングの精度はとても重要だそうです。

や機器への

環境に直結した水質分析に携われていることに充実感を感じるという牧田さん。
「さまざまな企業から水道水の試料が寄せられるので、比較する楽しさがありますね。また機器を用いた分析が好きなので、精密で高度な機器を扱えること自体にやりがいを感じています」
「同業他社さんでは機器を同じメーカーで揃えている会社もあるのですが、うちはそれぞれの特性を考慮して異なるメーカーのものを揃えています。いろいろなメーカーの機器での分析ができるというのはほかになく、日々興味深く感じています」
分析は精密さが重要になりそうですが、どんなところに難しさがあるのでしょうか。
「ただ作業をするだけなら誰でもできてしまうのですが、分析の原理や測定機器の理解、薬品の知識、それらを把握して行う点が難しいところです」
異常値が出た時に、なぜこの値が出たのか、試料ゆえの値なのか、分析ミスなのか、何か別の原因なのか。単なる作業をしていると、それが判別できなくなってしまうということです。
「全項目に関する知識をまだ私は持っていませんが、担当している項目に関してはすべて理解しようと努めています。公定法という公式に定められた方法を理解すること、分析の原理を知っていること、機械の正しい操作方法を知っていること。多岐に渡りますが、それらを調べ、学ぶ姿勢が大切だと思っています」

感慨深いな機械の更新

牧田さんには、入社3年目に忘れられない仕事を任された経験がありました。
「微量の金属元素を検出できるICP-MSという大きな機械を新しい機械に更新する仕事にて、分析項目の設定や正確に測れているかという妥当性評価などを確認し、立ち上げに至ることができました」
若手では任せてもらえない仕事ですが、更新前の機械を担当していたこともあり、とてもよい経験ができたと牧田さんは語ります。
一方、機器分析をしていると、機械の不調や人為的なミスでうまくいかないことが多々あるそうです。
「失敗談はいろいろありますが、とくに大きな失敗は、プリンケというコードを測る機械のガラス製セルを割ってしまい、1ヵ月ほど機械が使えなくなってしまったことです。1日に100件台の分析ができる機械が使用できなかったため、手分析で1日20、30件こなしましたが効率が1/3ほどに落ちてしまい、大変な迷惑をかけてしまいました」

よりを深めていきたい

牧田さんには、会社に貢献していると胸を張って言えることがあります。
「貢献できていると思う点は、GLP認定資格の登録要員になっていることです」
これは水道水の水質検査の精度と信頼性を確保するための認定制度で、登録要員とは、試験を実施・管理する責任を持つ人材のことです。実施経験や研修受講などの認定基準を満たす必要があり、貴重な人材といえるでしょう。
「今後は、環境計量士の資格を取って、より知識・理解を深めたいと考えています」

やさしさで築かれた

「藤吉工業は、やさしい人が多いことも自慢できるところです。どんなに忙しくても質問したら必ず答えてくれますし、わからなければ一緒に調べたり、他の方に質問したりして解決策を示してくださいます」
自分からヘルプを出せれば確実にサポートしてもらえる、社内全体にそんな頼れる体制が築かれているようです。

最後に、就職を考えている方へのメッセージをいただきました。

「少数精鋭なので、バリバリ働きたいと思っている方、やる気があって自分で学ぶ姿勢のある方にはとても合う会社です。何かしたいと声を上げたときに受け入れる広い土俵があります」